2007年6月24日日曜日

和布刈神社



レトロに騙されたと思った観光客もこの風景を眺めれば留意が下がる、元は取ったと思うことだろう。対岸の下関、仲を取り持つ猛々しい水の流れと喘ぎながら行き交う数多の船は絶景に相応しい。

和布刈神社で先ず誰もが知っていることと言えば和布刈神事であろう。福岡県無形民俗文化財に指定されている。が、これが曲者なのだ。国や地方自治体は宗教に拘わってはいけないことになっている。そこで和布刈神事は和布刈行事と名を改めさせられた。故に正式名称は「和布刈行事」と言う。こんな些細なことでも知っていれば自慢にはなる。

この神事はかつて秘事であった。
見ると眼が潰れると言われ付近の住民は正月になると中の明かりが漏れないように固く戸を閉ざし、秘事が終わるまでひっそりとしていたと言う。
いつの間にか観光名物になったが、今でも神事を見たことがない古老がいる。「見たことがない」と自らを卑下のではなく、「見たことがある」人に災難が降りかからないか按ずるのである。門司っ子を自負するなら「和布刈神事を見たことがない」ということが最大の自慢ではなかろうか。

そもそも秘事であったものを見て何の御利益があろう。物珍しさに人が集まるだけである。
ただ唯一和布刈神社に多大な御利益があることだけは間違いない。正月と旧正月の2度に亙って賽銭の雨が降る。

替わって甲宗八幡では出せば国宝物と言われる御神体がある。50年に1度の御開帳以外の公開はない。来年の4月には御開帳の由。
信仰に痩せ我慢は必要なのだ。

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