2013年7月6日土曜日

「街の手帖 池上線」

出版文化は東京の特産品とはよく言ったもので、このような面白い小冊子が次々発行されるところに、東京の魅力があるのではないかと思うのです


日本の出版社の8割が東京にあり、古本屋の8割が東京にあるといった理由だけではありません

池上線というのは全長10.9kmという短い私鉄です
決して観光地ではありません
洗足池以外にこれといったランドマークがあるわけではありませんが、その短い沿線にいろいろな物語が眠っています
これら物語を掘り起こし、それを小冊子という形で情報発信する力量は想像以上のものでした
ひと言で言ってしまえば、とても楽しい雑誌です
自宅から駅まで、バス停までの数分を大切にしたくなる雑誌です


送っていただきました
内容もさることながら、送り状が神楽坂山田紙店製の原稿用紙に万年筆の手書きという凝りようがなんともいえません
職人なら良い道具を使いたいのが人情です
ペンも原稿用紙も道具であるならば、こういう原稿用紙にペンを走らせてみたいと、文筆家なら誰でも思うでしょう

「街の手帖 池上線」は、デジタル全盛の現代で、こういった道具にこだわる職人の作っている雑誌なのです